手指や足の小さな関節の痛みや腫れは、関節リウマチ患者さんがはじめに自覚することが多いとされている症状の1つです。関節リウマチの症状が進むと、肩やひざ、股関節などの大きな関節にも痛みや腫れがあらわれることがあります。
関節が「痛い」「腫れている」
特にぶつけたり怪我をしたりしたわけでもないのに、関節が「痛い」「腫れている」ときにはどのようなことが考えられるのでしょうか。関節は、直接の刺激以外にも、菌が入ること、関節リウマチや変形性関節症、痛風などの病気が原因で炎症が起こり、痛みや腫れがでることがあります。その「痛み」や「腫れ」の原因が関節リウマチである場合、ほかの病気との区別が難しいことも多く、関節リウマチの診断には診察や検査などによる医師の総合的判断が必要です。気になることや疑わしい症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
関節リウマチの「関節痛」
関節リウマチであらわれる「関節痛」は、痛みや腫れが手指や足の小さな関節から始まり、だんだんと手首や肩、ひざなどの大きな関節にあらわれます。関節を触ると熱を持っていることもあります。関節の痛みは最初1つあるいは少数の関節から始まりますが、関節リウマチの症状が進むにつれて左右の複数の関節に症状があらわれます。関節痛は、よくなったり悪くなったりを繰り返しながら慢性の経過をたどります。病気が進行すると、骨や軟骨が破壊されて関節の変形が起こり、関節を動かせる範囲が狭くなります。これらが関節リウマチの「関節痛」の特徴です。関節痛はさまざまな病気が原因であらわれる症状ですが、特に「小さな関節から大きな関節に痛みや腫れが広がってきた」「左右対称の関節に症状がある」という特徴に当てはまる場合は関節リウマチが疑われることがあります。
関節リウマチにおける「関節痛」と「腫れ」の原因は?
関節リウマチにおける関節の腫れの主な原因の1つに免疫機能の異常が挙げられます。本来は外敵から自分を守るために働く免疫が、自分自身を攻撃してしまい、滑膜の異常な増殖やその周りの骨や軟骨の破壊が起こります。また、関節の破壊が進むことであらわれる変形が腫れのように見えることもあります。
気温の変化に左右される「関節痛」
関節痛の症状は気温に左右されることが多く、暖かく晴れた天気が続くときは軽く、天気が崩れ出す前や雨の日、寒い日には痛みが強くなります。夏でも冷房の風が直接関節にあたることなどで関節痛が強くなります。寒い季節はもとより、夏も冷房の風が直接あたるのを避けて、長袖や長ズボン、ブランケットなどで関節部位の保温に気をつけましょう。
指の関節の「痛み」「腫れ」は何科にいけばいいの?
「関節リウマチかも」と思ったら、まずはかかりつけの医師に相談するか、お近くのリウマチ科、膠原病科(膠原病内科)や整形外科を受診しましょう。関節リウマチの専門医は一般的に、リウマチ科、膠原病科、整形外科にいますが、病院やクリニックによって診療科の表記の方法が異なることがあります。関節リウマチを専門に治療している医師がその病院にいるかどうかわからない場合は、直接問い合わせてみるのも方法です。
関節リウマチの診断には、症状や検査値だけでなく医師の総合的な判断が必要です。関節リウマチの基本は、病気を早く発見し、早く治療を開始することですので、気になることや疑わしい症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
2022年10月作成 ENB46M014A