2022年10月作成 ENB46M014A
関節の腫れと痛み
関節リウマチの特徴的な症状は「関節の腫れや痛み」で、左右対称に出ることが多いようです。
朝起きたとき、手足がこわばって動かしづらくなったりもします。
また、だるくなったり疲れやすくなったりと、関節以外に症状が出ることもあります。
長い経過を観察して、関節リウマチは発症から2年以内に最も急速に症状が進むとわかってきました。
できるだけ早く発見してすぐに治療を始めることが、重症化を抑えて運動機能を保つ上で非常に重要です。
関節リウマチの症状の進行速度
関節リウマチの経過パターン
當間 重人:”6関節リウマチの経過と予後 ” よくわかる関節リウマチのすべて 宮坂 信之 編集 第1版 永井書店:40, 2009
関節リウマチの経過は人により異なり、上図のように、Ⅰ.短周期型、Ⅱ.多周期進行型、Ⅲ.急速進行型の経過パターンに分類されます。
Ⅰ.短周期型は、一時的に関節炎や骨破壊が起きますが、その後炎症が治まり、軽症のまま経過します。
手や足の指などの小さな関節はいろいろな変形や障害を受けますが、膝や股関節などの大きな関節ではほとんど進行が見られません。
Ⅱ.多周期進行型は、炎症の消退と再燃を繰り返しながら、長年にわたって徐々に病気が進行して、全身の関節が破壊されていくケースです。
Ⅲ.急速進行型は、発病初期から急速に進行して多くの関節が破壊されるケースとなります。
関節が破壊されて痛いときに、抑えられる度合いを超えて痛み止めで抑えようとすると、胃潰瘍などの副作用が起きることがあります。
このような場合には、適切なタイミングで手術をして痛みをやわらげ、歩いたり、手を使ったりといった関節の機能を保っておくことが必要な場合もあります。
近年のリウマチ治療薬の進歩により、全身の関節が破壊されてゆく状態を抑えることが出来るようになりました。そして関節リウマチによって破壊された膝や股関節を手術しなければ歩けないケースは減りました。これはリウマチ治療の歴史から考えても画期的なことです。
いずれにしても、関節リウマチをできるだけ早く発見して早くから治療を始めることが、重症化を抑え運動機能を保つ上で非常に重要です。