2022年10月作成 ENB46M014A
関節リウマチとは、どんな病気?
関節に炎症が続いて徐々に破壊されていき、やがては変形したり固まったりしてうまく動かなくなってしまう病気が「関節リウマチ」です。
昔は、「関節リウマチにかかると寝たきりになる」と思われていました。
今では医学が発達して、早くから適切な治療を行えば、病気の進行を抑えて関節の機能を保ち今までどおりの生活を続けることも見込めます。しかし、副作用などで適切な治療薬を使えず関節障害が進んでいくこともありますので、従来からのいろいろな治療法を知っておくことは必要です。
関節リウマチ=高齢者の病気ではありません
関節リウマチの国内における患者数は約60万人ともいわれ、決して珍しい病気ではありません1)。
関節リウマチは女性に多い病気です(男性の3~5倍)2)。どの年代でも発症する病気ですが、女性での発症は10歳代から20、30歳代と増加しピークは40〜50歳代にあります。70歳代になってから発症する方は大きく減少します。男性では、30歳代から増加し、50歳代をピークに発症します。日本人の関節リウマチ発症は欧米に比べて半分以下ともいわれています。
60歳代以上の高齢者が発症する「高齢発症関節リウマチ」の場合は、男女の発症率に差はありません。また、15歳未満で発症する場合もあり、これは「若年性特発性関節炎」 と呼ばれています。
関節リウマチは、症状に個人差がある病気で、多くの場合10年以上続く病気とされています。症状が軽く、ほかの人から見て関節リウマチにかかっているとわからない方もいれば、関節の変形が進み日常生活で困っている方までさまざまです。また、はじめに症状があらわれてから生活に支障がでるまでに時間がかかる方が多い病気でもあります。
現在、関節リウマチは病気を早く発見し、早く治療を開始するほど、より高い効果が得られることがわかっています。また、発症してかなりの期間が経過した患者さんでも、適正な治療を行うことで症状を抑えることが期待できます。関節リウマチの治療では、患者さんのライフスタイルに合わせて多くの治療法が選べます。医師やご家族との相談を通して、ご自身に合う治療法を探しましょう。
- 1)松田 剛正:“Ⅰ.総論” 関節リウマチのトータルマネジメント 公益財団 日本リウマチ財団監修 1 医歯薬出版:1, 2011
- 2)松田 剛正:“3 関節リウマチは誰に起こりやすいか?” よくわかる関節リウマチのすべて 宮坂 信之編 1 永井書店:17, 2009