これから関節リウマチの治療を始める方へ
リウマチ治療は
経験豊富な専門医とともに
監修:筑波大学医学医療系 膠原病リウマチアレルギー内科学 講師/医局長
坪井 洋人 先生
関節リウマチは、本来、外敵から自分を守るために働く免疫が自分自身を攻撃してしまうことで、関節症状をはじめとしたさまざまな症状があらわれる病気です。特に多くみられる症状は手指の痛みや腫れです。
現在では、早期に発見し適切な治療をすることで、ほとんど症状のない状態である「寛解(かんかい)」を目指すことができます。
痛みや腫れなどの症状も改善し、日常生活が支障なく送れるようになるなど、健康な人と同じ状態を維持できるようになることを「寛解」といいます。
20年ほど前までは関節リウマチはこの寛解状態にまで治療を進めることが極めて困難でした。しかし現在では、寛解状態を維持するために薬を必要とすることはありますが、治療法の飛躍的な進歩により寛解を目指すことが可能になってきました。
※検査は、1~6ヵ月ごと*に行います。
* 薬の種類や量を変えたときなど、もっと短い間隔になる場合もあります。
関節リウマチはこれまで、発症後しばらく経ってから病気が進行すると考えられてきました。しかし実際には、発症から1年以内に関節破壊が急速に進行することがあるとわかってきました。
現在では発症初期から適切な治療を行うと病気の進行を抑えられる可能性があります。しかし、一度関節破壊が進んでしまうとそれが元に戻ることはありません。そのため、早期に発見して早期に治療することが重要です。
Fuchs, H. A. et al.:J Rheumatol 16(5):585, 1989より作図
関節リウマチや膠原病(こうげんびょう)などの自己免疫疾患は、その病気の原因がまだ解明されていないことも多いため、関節リウマチの治療には、特に専門性と経験が非常に重要です。
また、関節リウマチ治療はここ10年で、新しい治療薬によって選択肢が増え、治療の考え方が変化しています。日々このような動向に注目し情報を集めているリウマチ専門医※と一緒に治療していきましょう。
※リウマチ専門医とは、リウマチ性疾患の診療に必要な知識と技能を有し、専門医としてふさわしいリウマチ医として学会から認定された医師のことです。
一般社団法人 日本リウマチ学会 専門医制度規則 2022/6/13 参照
https://www.ryumachi-jp.com/pdf/senmoniseidokisoku.pdf
リウマチ専門医は全国に5,068名(令和3年8月現在、日本リウマチ学会認定)います。
あなたのお住まいの場所の近くにもきっとリウマチ専門医のいる病院があります。リウマチ専門医に相談する場合は、かかりつけ医の紹介やお近くの専門医を検索し診察の予約をしてみましょう。