2022年10月作成 ENB46M014A
主な症状
どのタイプにも共通するのは、慢性的な関節の炎症です。関節に炎症があることで、痛みだけでなく、赤くなる、腫れる、熱を持つ、動かしにくいなどの症状がみられます。
適切な治療を受けないと関節破壊が進行して、関節としての機能が果たせなくなることがあります。
各タイプに特徴的な症状
全身型
弛張熱(1日のうちに1℃以上の変動のある発熱)、リウマトイド疹と呼ばれる発疹、関節炎が主にみられる症状です。リンパ節の腫れ、胸膜炎(肺と胸壁の内側を覆う膜の炎症)、心膜炎(心臓の外側を覆う膜の炎症)、肝脾腫(肝臓と脾臓が大きくなっている状態)をともなうこともあります。全身型ではマクロファージ活性化症候群(MAS:コントロール不能な高熱、リンパ節の腫れ、肝脾腫などをともなう)と呼ばれる重大な合併症を起こす可能性があるので、注意が必要です。
少関節炎
発症6ヵ月以内に炎症がある関節が1~4関節に限られています。膝をはじめとする下肢の関節に炎症が起こりやすいとされています。適切な治療をすることで関節機能を良好に保つことができます。6歳未満で発症し、抗核抗体(ANA)検査が陽性の場合は、ぶどう膜炎という目の病気を合併しやすく、合併していても初期には自覚症状がないので、定期的な眼科検診が必要です。
多関節炎(リウマトイド因子陰性/陽性)
発症6ヵ月以内に炎症が関節の5ヵ所以上でみられます。左右の同じ関節(左右対称)で痛みや腫れがみられることが多く、手や指の小さな関節をはじめ、ひじや膝などの大きな関節、さらには首やあごの関節でも炎症がみられます。特に、あごの関節の炎症を放置してしまうと、あごの成長が障害され小顎症や咬合不全(歯のかみ合わせが悪くなること)を起こす可能性があるので注意が必要です。微熱、倦怠感、食欲不振などの全身症状をともなうこともあります。