病気のお話

若年性特発性関節炎とは?

監修:鹿児島大学 名誉教授
 武井 修治先生

若年性特発性関節炎とは

16歳未満で発症し、少なくとも6週間以上持続する原因不明の慢性の関節炎のことです。
"若年"とは「若い」ということですが、ここでは「小児」という意味で使っています。"特発性"とは「原因不明」を意味する医学用語です。
これまでは国によって、「若年性慢性関節炎:JCA」や「若年性関節リウマチ:JRA」など呼び名が異なっていましたが、現在では「若年性特発性関節炎:JIA」と世界的に統一されています。

若年性特発性関節炎 = JIA
  • JCA: Juvenile Chronic Arthritis / JRA:Juvenile Rheumatoid Arthritis
  • JIA: Juvenile Idiopathic Arthritis

若年性特発性関節炎の主なタイプ

病態(病気の様子)から、若年性特発性関節炎はこれらの7つに分類されます。

  1. 1. 全身型
  2. 2. 少関節炎(持続型、進展型)
  3. 3. リウマトイド因子陰性多関節炎
  4. 4. リウマトイド因子陽性多関節炎
  5. 5. 乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)
  6. 6. 付着部炎関連関節炎
  7. 7. 未分類関節炎

若年性特発性関節炎の
患者さんの割合はどれくらいですか?

日本における若年性特発性関節炎の患者さんの割合は、小児1万人あたり1人にみられることがわかっています。タイプ別では、全身型が約30~40%、少関節炎が約20~30%、リウマトイド因子陰性多関節炎が約15~20%、リウマトイド因子陽性多関節炎が約10~15%と報告されています。
男女比はタイプによって異なりますが、全身型に性別差はありません。少関節炎は男の子より女の子が3~4倍多くいます。リウマトイド因子陰性多関節炎は女の子が2倍多くいます。リウマトイド因子陽性多関節炎は、女の子が5~6倍多くいます。

2024年10月作成 ENB46O001A